遮熱塗料・断熱塗料・反射塗料の塗装効果の検証試験に!〜 サーモクロンGタイプの使用例(その3) 〜 |
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注意事項
ボタン型温度ロガー(サーモクロンやスーパーサーモクロン)を利用して、
実際の屋根に塗った遮熱塗料や断熱塗料の効果を調べる場合に、誤った方法で計測されるケースが多々見うけられます。
その誤っているというのは、塗装した屋根の表面温度を、この温度ロガーで測定しようとしていることです。
屋根面に貼り付けて、その表面温度(下の図の Bのポイントの温度)を測定しても
このボタン型温度ロガーは、本来、雰囲気温度を測定するための温度記録計ですので、
その表面温度 Bを正確に測定することはできません。
屋根面に単純に貼り付けただけでは、周囲温度(外気温度)や日射熱の影響を受けてしまします。
つまり、日射によって熱くなったこの金属製品自体の温度を測っているに過ぎない状態に等しく、
屋根自体の純粋な表面温度を計測することはできません。
では、その効果検証するには、どのような計測をしたら良いのでしょうか?
遮熱塗料や断熱塗料を使って屋根を塗装する目的は、日射熱が屋内側に伝わるのを抑制することだと思います。
どんなに屋根の表面温度を測定しても、それは表面温度を調べただけに過ぎなく、塗装によって屋内の温度にどう抑制されたかが分かりません。
つまり、遮熱効果を調べるには、屋内側の温度を調べることが肝心であって
屋外側の塗装面( Bのポイント)の温度は、それほど重要ではありません。
このボタン型温度ロガーを使って、実際の屋根塗装を施した施設で検証するのであれば、
屋根の裏面( Cのポイント)または屋内( Dのポイント)のいずれかに少なくとも1カ所、
そして屋外( Aのポイント)にも少なくとも1か所に設置して、
外気温 Aと、屋内の温度( Cまたは D)との温度差を調べることをお勧めいたします。
それにより、その遮熱または断熱の度合いを検証することが可能です。
しかし、どうしても屋外側の塗装面( Bのポイント)の温度も調べたいということであれば、
かなり難しいとは思いますが、別ページ をご参照ください。
なお、外気温( Aのポイント)を測定する場合にご注意いただきたいことがあります。
このボタン型温度ロガーは完全防水構造とはなっていませんので
雨に降られてもいいように、軒下に吊るすなど雨に濡れないよう設置してください。
また、当然、測定は、塗装前と塗装後に行って、総合的な比較検証をすることが大事ですが、
実際に施工した現場での検証は、
塗装前と塗装後が全く同じ気象条件とはなりにくく、客観的なデータを得ることは中々容易ではありません。
また、実際の建物での効果検証とは別に、
遮熱塗料や断熱塗料の性能を調べる方法としては、
下の図のように、建物の小さな模型に見立てた箱(同じサイズ、同じ材質)を2つ作り、
片方の箱だけに塗布して、同一場所・同一日時で、その温度差を比較されることをお勧めいたします。
2種類の異なった塗料の比較の場合でも、同様な方法で、その温度差を比べてください。
【ご注意】 ミニチュアサイズの箱を用意する場合は、できるだけ大きなものを製作することをお勧めいたします。
箱が小さければ小さいほど、塗料の遮熱性能が高くても、温度差が出にくくなってしまいます。