温湿度データロガー『ハイグロクロン』の仕様について
1. 普通モードと高分解能モードとは? その違いは?
温湿度データロガー『ハイグロクロン』を自動計測させるに、専用ソフトを使って、事前に
計測条件を設定する必要があります。 その条件の一つに
表示最小単位(分解能)を選ぶ項目があり、そこでは
<普通モード>と<高分解能モード>のいずれか一方を選択することになります。
普通モードを選択すると、表示最小単位は、温度では0.5℃、湿度では0.6%RHとなり、
高分解能モードを選択すると、表示最小単位は、温度では0.1℃、湿度では0.1%RHとなります。
また、高分解能モードの場合、計測記憶数が普通モードより半減します。(次項参照)
<注記> 通常は、<普通モード>でご使用ください。
<高分解能モード>で使用すると使用可能な延べ記録数が、約5分の1に減少し、
製品寿命が著しく短くなります。
2. 一回(一度)の計測における計測記憶数とは?
温湿度ロガー『ハイグロクロン』は、温度と湿度を自動サンプリングし、その温度と湿度の値を最大で
それぞれ4096個(温度4096データ、湿度4096データ)まで記憶保持しておくことができます。
このメモリー数の4096を、計測記憶数と呼んでいます。
例えば、
10分間隔で計測でさせた場合、『 10分間×4095個 』 の連続した温度記録、
つまり、最長で40950分間(約28日間)の連続した温湿度の記録を、
1回の計測で記録させることができます。
ただし、高分解能モードにして計測させた場合は、計測記憶数が半減し、
2048データとなります。
※ 詳しくはこちらをご覧下さい。
≪注記≫ ご使用後にパソコンで再設定すれば、
使用したその記録データが自動消去され、新たな計測が可能となります。
つまり、この計測記憶数をすべて記録したからといって、
その後は使えなくないということはありません。
3. 一度計測させ、データ回収すると、二度と使用できないのですか?
計測終了後に、再度計測条件を設定しなおせば、前の計測データが自動的に消去され、
製品寿命が尽きるまで、何度も繰返しご利用いただます。
4. ハイグロクロンを希望する日時に計測を開始させることができますか?
可能です。 専用ソフトで計測条件設定するときに、「計測開始日時」の
欄がありますので、そこに希望される日時(年月日・時刻)を指定できます。
※ 記録される日時(年月日・時刻)は、設定したパソコンが基準になります。
ご注意: 計測条件設定時に、上書きモード「あり」で設定した場合、
計測記憶数を超えたときに計測開始直後のデータから上書きされ、
計測後に回収したデータの開始日時が、設定した計測開始日時にならない場合があります。
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5. 計測中(計測終了前)でも途中までの温度履歴を確認できますか?
可能です。パソコンに繋げることにより、計測を終わらせることなく、それまでの記録データを
回収して、確認することができます。
なお、その時に停止さえさせなければ、計測は途切れることなく継続されます。
また、回収した期間のデータがハイグロクロンから消失することもありません。
ただし、1分間隔未満のインターバル(計測間隔)で計測させている場合は、
計測を終わらせない限り、データを見る(回収する)ことはできません。 なお、
いったん、停止させると、その計測を終了させてことになりますので、
計測を再開させることはできません。 その場合は、再設定して、最初から、
計測しなおすことになります。
6. ハイグロクロンをパソコン・接続ケーブルから切り離して使用できますか?
はい。ハイグロクロンを接続ケーブルを介してパソコンに繋げるのは、
計測前の計測条件設定時と、計測後のデータを回収する時だけです。
実際に温湿度測定する時は、接続ケーブルに付けたままではなく、
ハイグロクロンだけを測定する箇所に設置して下さい。 一切の配線は必要ありません。
7. 何年間使用できますか? 交換時期の目安は?
温湿度ロガー『ハイグロクロン』は、通常の温度環境であれば、ご購入後約3年はご利用いただけます。
しかし、
35℃〜50℃の温度環境で使用したことがあれば、ご購入後約2年でご利用できなくなる場合があり、
50℃〜60℃の温度環境で使用したことがあれば、ご購入後約1年でご利用できなくなる場合があり、
60℃を超える温度環境で使用したことがあれば、ご購入後半年以内にご利用できなくなる場合もあります。
ただし、その寿命の時期を事前に知らせる機能は付いておりませんので、
ご購入から上述の年数が近づいたら、早めに新しいハイグロクロンをお求めいただくことをお勧めいたします。
<ご注意1>
最大累積計測数(延べ計測可能数)を越えた場合は、上記の年数よりも早く使用できなくなる場合があります。
例えば、(25℃の環境下で)ご購入後すぐに
普通モードで測定間隔を5分間にして、毎日24時間連続計測しても、最大累積計測数を超えないため、3年間のご利用は可能ですが、
普通モードで測定間隔を1分間にして、毎日24時間連続計測した場合、1年未満で最大累積計測数を超えるため、1年もご利用できません。
<ご注意2>
計測途中で、製品寿命となった場合は、
その途中までの記録されたデータは回収することができません。
8. 一回の計測で、最長で何日ほど記録できますか?
設定される記録間隔(インターバル)によって、その期間は変わります。
温湿度データロガー『ハイグロクロン』の最大メモリ数は4096です。この最大メモリ数に記録間隔を乗じた期間が
一度に計測できる最長の記録期間となります。
ただし、高分解能モードで計測させる場合は、最大メモリ数は2048です。
例えば、普通モードの場合、記録間隔を5分間で設定すると、
[5分×(4096-1)=20475分]、つまり、最長で約341時間(約2週間)までの連続した記録が取れます。
記録間隔を1時間と設定した場合では、同様に計算して、最長で約24週間ほど記録させることができます。
※ 実際には、上記の計算は不要です。 専用ソフトウエアで、計測間隔を入力すれば、
自動的に、 記録可能期間が表示されます。
<ご注意> 最長の記録をさせたからと言って、2度と使用できないわけではありません。
新たな計測条件を設定しなおせば、繰り返しご使用いただけます。
9. 電池の交換はできますか?
内蔵電池の交換はできません。電池を充電することもできません。
電池切れの場合は、恐れ入りますが新しいハイグロクロンをお求めください。
10. 地面に落としたりしたら壊れますか?
ハイグクロンの外装の材質は金属製で、多少の力を加えても、
簡単に変形することは外見上ありません。
しかし、ハイグロクロンは、センサーや電池等が内部回路に組み込まれた電子製品ですので、
落下の衝撃で、すぐに壊れることはないにしても、
内蔵部品の結合部が緩んで、将来の故障につながることもあります。
したがいまして、外装は頑丈ですが、通常の電子計器と同じように、
落としたりしないようお扱い下さい。
11. 専用ホルダーを取付けないと、ハイグロクロンは使用できないのですか?
温湿度計測する上では、絶対に必要なものではありません。
ハイグロクロンはボタン電池のようにとても小さいので、ホルダーがあれば何かと便利ですし、また、
条件設定やデータの回収時に接続ケーブルに差し込んだり取り外したりするときに、
ホルダーを付けていたほうが取り扱いが容易です。
なお、ホルダーをいったんハイグロクロンに付けると取り外すことはできません。
※ ホルダーに取り付けたままの状態でも、接続ケーブルへの差込みは可能です。
12. ハイグロクロンの湿度センサー部はどの箇所にありますか?
ハイグロクロンの片面(表面)に、直径1.27mmの穴があります。 それが通気孔となり、
内部の湿度センサーで湿度が検知できる構造となっています。
なお、その通気孔の部分には、水蒸気透過性(透湿性)の白色の特殊なフィルム(膜)が
貼られており、ハイグロクロン内部に、水や埃が入りにくくい構造となっております。
(注記: 防水機能はありません)

注記: 白色の通気孔部が、水や埃で塞がれると正しい湿度計測ができません。
13. 固有の個別識別番号が各ハイグロクロンにありますか?
16桁の固有のID番号がそれぞれに付加されており、
ハイグロクロンの裏面にレーザーで刻印されています。
小さな文字ですが、それを目視で確認可能です。
また、使用するソフトの画面上でも、それを確認することはできます。
注記: もし、ハイグロクロンに専用ホルダーに取付けた場合は、その裏面が隠れるので
取付け後は、そのID番号はソフト上でしか確認できません。
14. ハイグロクロンの日時調整・設定は行えますか?
ハイグロクロンを、専用ソフトで計測条件設定をすると、同時に
そのパソコンの内蔵カレンダー・時刻と同じになるように、
ハイグロクロンの内蔵カレンダー・時刻が自動修正されます。
ご注意: 使用するパソコンの日付・時刻が正しくない場合は、
設定するハイグロクロンも、その誤った日時に調整されてしまいます。
15. 露点温度は計測できないのですか?
ハイグロクロンに内蔵されているセンサーは、温度センサーと湿度センサーのみですので、
計測することができるのは、温度と相対湿度のみです。
ただし、専用ソフトのRhManager(バージョン2.06以降)では、その温度と湿度の両値を元に、
JIS Z-8806に記載されているSonntagの式を用いて、各時刻の露点温度をExcelの表で出力させることが可能です。
ただし、その算出される露点温度は、標準気圧(1013.25hPa)の環境において通常の空気の温度湿度を計測したものと想定していますので、
大気圧と異なる場所や、通常の空気と異なる気体で計測していた場合は、表示される露点温度は正しくありません。
なお、Microsoft社のエクセル(Excel 2010/2013/2016/2019)をインストールしていないパソコンではご利用いただけません。
16. 累積計測数(延べ計測数)とは、どういう意味ですか?
ハイグロクロンは、一定の計測間隔(インターバル)ごとに、温湿度を計測し、記録する仕組みとなっています。
その1回の計測間隔を、「計測数1回」とし、それを積み重ねた計測数の合計を「累積計測数」あるいは「延べ計測数」と呼んでいます。
自動車でいうところのオドメータで示されている「累計の総走行距離」のようなもので、
ハイグロクロンを過去にどれだけ使用したかを示す一つの指標です。
そのため、その数値をリセットしてゼロにすることはできません。
なお、「記録可能計測数の4096(高分解能モード時は2048)」とは関係ありません。
ハイグロクロンは、その累積計測数(延べ計測数)が、
普通モードで使用していた場合、40万回(40万インターバル)を越えると、内蔵電池の残量がたとえ十分あっても、その後は使用できなくなる可能性があります。
(高分解能モードで使用した場合には、8万回(8万インターバル)を越えると、使用できなくなる可能性があります。)
仮に、標準モードで計測間隔を1分とし、上書きモード有りして、一度も停止させずに連続で計測させ続けた場合でも、その40万分回に到達するのは、約6,667時間(約278日)後となります。
17. 暑さ指数(WBGT 値)は、計測できないのですか?
ハイグロクロンに内蔵されているセンサーは、温度センサーと湿度センサーのみですので、
黒球温度計を必要とするWBGT(暑さ指数)は、計測することができませんが、
日射の影響を受けない室内のWBGT(暑さ指数)であれば、
専用ソフトのRhManager(バージョン2.08以降)を利用して、その温度と湿度の両値を元に、
各時刻のWBGT(暑さ指数)をExcelの表で出力させることが可能です。
その算出されるWBGT(暑さ指数)は、日本気象学会の「日常生活における熱
中症予防指針」(Ver.1,2007年)の
「図1. WBGTと気温、湿度の関係」をもとに、
ハイグロクロンで記録した温度と湿度から算出されます。(輻射熱の影響は考慮していません。)
ただし、Microsoft社のエクセル(Excel 2010/2013/2016/2019)をインストールしていないパソコンではご利用いただけませんのでご注意ください。
18. 1分間隔未満での計測は、お勧めでないと、製品仕様には書かれていますが、それは、どのような理由からですか?
ハイグロクロンは、≪使用可能な最大累積計測数≫に到達すると、それ以後ご利用頂けなくなります。
そのため、極端に短い測定間隔(インターバル)での計測を
繰返してご利用されると、≪使用可能な最大累積計測数≫にすぐに到達して、
使えなくなってしまいます。
たとえば、普通モードで1分間隔で計測させた場合、
延べ6,667時間(1分間×40万回)、つまり、延べ277日で、
≪使用可能な最大累積計測数≫にすぐに到達します。
しかし、1秒間隔で計測させてしまいますと、
延べ111時間(1秒間×40万回)、つまり、わずか延べ4.6日で、
≪使用可能な最大累積計測数≫で到達してしまいます。
特に高分解能モードで使用すると、≪使用可能な最大累積計測数≫が
普通モードに比べ、5分の1以下となるため、
さらに短い寿命となります。
ですので、短い計測間隔で記録させる必要性がなければ、
無用な記録数を増やさないために、
そのような1分間隔未満の計測は、お勧めいたしておりません。
《補足》 計測間隔を短くすればするほど、温湿度応答性(温湿度追従性)が良くなると誤解される方がいらっしゃいますが
計測間隔と応答速度は関係いたしません。
計測間隔を短くしても、応答速度は変わりません。
温湿度ロガー『ハイグロクロン』の使い方について
1. 使用にあたって特に注意すべきことは?
ハイグロクロンの片面(表面)に、直径1mmの白色の窪みがあります。(別項参照)
そこが、内部の湿度センサーに通じる通気孔となりますので、決して塞がないようにして下さい。
直射日光等に当たらないように設置してください。直射日光により、金属でできた当製品が熱を
持ってしまうため、正しい温度が計測できません。
(別項参照)
温度が50℃を越える環境では、相対湿度が95%以下の場合でも、故障する場合があります。
詳細は、製品仕様の『使用可能環境』の欄をご覧ください。
2. 屋外での使用は可能ですか?
防水機能はありませんので、雨や雪などのかからず結露が発生しない場所であれば、ご利用いただけます。
ただし、排気ガスや粉塵・埃の多い場所でのご使用は、
湿度センサーを保護しているフィルターが目詰まりしますので、お勧めできません。
また、屋外の『気温』を計測する目的であれば、直射日光等が当たらないようにする必要があります。
直射日光があたると、金属製のハイグロクロン自体が温められて、
正確な『気温』が測れません。 (夏の炎天下では60℃を越える温度を記録することもあります。)
一般的な外気の温度湿度計測は、
直射日光を当てず、照り返しもなく、雨や雪のかからない、風通しの良いところに設置することをお勧めします。
"理想"は、百葉箱や通風シェルターの中に入れて、計測することが望ましいです。
3. 水濡れや結露のある環境で使用できますか?
温湿度ロガー『ハイグロクロン』は、防水・防滴機能はなく、
水濡れの恐れのある場所や、あるいは結露、霜、蒸気等の発生する場所でのご利用はできません。
ハイグロクロンの片面(表面)には、通気孔が一箇所あります。
その通気孔を通じて入ってきた空気の湿度を、内部の湿度センサーが検知する構造となっています。
もし、その孔に水滴が付着した場合は、すぐに乾いた布でやさしく吸い取ってください。 そのまま放置すると
その孔を塞がれて正しい計測できないだけではなく、内部に浸水して故障の原因となります。
※ 注記: ハイグロクロンは、高温多湿の環境でのご利用もできません。
詳しくは、製品仕様の『使用可能環境欄』をご参照ください。
4. トラック荷台の温湿度管理に利用できますか?
ご利用いただけます。 通常の車両の振動程度で、故障することはございません。
5. 水分量(含水率)を計測できますか?
計測できません。 このハイグロクロンは空気中の相対湿度を計測します。
ある材質(固体や粉体)に含まれている湿りぐあいを計測するものではありません。
6. 旅客機には、リチウム金属電池の搭載が禁止されていますが、
その電池を内蔵したハイグロクロンは旅客機で輸送することはできないのですか?
可能です。
確かに、IATA(国際航空運送協会)が2015年1月1日発効した危険物規則書56版では、
乗客を乗せる旅客機には、リチウム金属電池の航空輸送を禁止しています。
しかし、それはあくまでも、「リチウム金属電池」そのものを輸送する場合に限って禁止したものであり、
「リチウム金属電池を内蔵した電子機器」までは禁止していません。
つまり、ハイグロクロンは、「リチウム金属電池」そのものではなく、
「リチウム金属電池を内蔵した電子機器」に該当しますので、旅客機での輸送は可能です。
ですので、当製品が「ボタン電池」の形状に似ているからといって、
航空会社に、当製品のことを「ボタン電池」であると、誤って申告しないようにしてください。
電池そのものと見なされて、許可されませんのでご注意ください。
ちなみに、その内蔵されている電池は、Panasonic社の型番BR1225Aです。
もし、航空会社より、その電池について尋ねられた場合は、次のことをお伝えください。
(1) 内蔵されている電池は、ボタン電池(Panasonic製 コイン形リチウム電池 型番BR1225A)であること。
(2) 機器(ハイグロクロン)に内蔵されている電池の数が1個であること。
(3) 内蔵電池は、ボタン型電池(セル)であり、組電池(バッテリー)ではないこと。
(4) 内蔵電池は、リチウム金属電池であり、リチウムイオン電池ではないこと。
(5) 内蔵電池の重量は0.8gで、そのリチウム金属の含有量が0.01gであること。
(6) 内蔵電池は、国連試験基準マニュアル(UN Manual of Tests and Criteria, Part V,sub-section 38.3)の各試験要件に適合していること。
(7) この電池は、機器(ハイグロクロン)に組み込まれており、国連番号が、UN3090ではなく、UN3091であること。
(8) 内蔵電池は、IATA危険物規則の包装基準PI970 SectionUに該当すること。(Section I ではありません)
《ご注意》 誤って、「電池は機器と同梱している」と申告すると、
許可されません。
必ず、「電池は機器に内蔵している」と申告してください。
なお、上記のように、包装基準がPI970 SectionUの場合は、
@ リチウム電池輸送書類の添付、
A リチウム電池取扱いラベルの貼付け、
B 航空貨物運送状(AirWaybill)に「Lithium metal batteries in compliance with Section U of PI970」の記載
が、IATAの危険物規則で義務づけられていますが、
しかし この製品には、コイン電池(ボタン電池)が1個だけしか入っていないため、
上記@とAの、そのような危険物申告やラベル貼付けは必要はありません。
上記Bに関しても、航空貨物運送状(AirWaybill)に、そのような記載はしないでください。
※電池の種類がボタン電池で、それが1個しか入っていない製品は、そもそもIATAの規則上は、危険物扱いにはならないはずです。
※ 動作中(温湿度計測中)のハイグロクロンを旅客機で運ぶ場合は、次項もご参照ください。
7. 航空機に、動作中(温度記録中)のハイグロクロンを載せても大丈夫ですか?
ハイグロクロンには、水晶発信回路など微弱電波を発する部品は組み込まれていません。
米国のFCC(連邦通信委員会)および欧州のEMC指令の電磁適合性(EMC)試験にも
合格していますので、航空機の機体に電磁波障害を引き起こすようなことはございません。
安心してご利用いただけます。
また、電磁波放射レベルが、米国航空無線技術委員会による航空機搭載品の環境試験規格である
『RTCA DO160 Section21 Category H』にも適合していることを確認しています。
※ 日本航空(JAL)をご利用される場合は、JALの航空機搭載可能基準である
RTCA DO160 Section21の所定のCategoryに適合していることを証明する書類の提出を、
JALから求められることがあります。
もし、求められた場合は、当製品が【 株式会社KNラボラトリーズの Hygrochron (品番1923) 】であることと、
JALの使用許可の承認を既に得ていることをJALにお伝えください。
既に承認済みであることが確認できれば、新たに証明書類等の提出を求められることはありません。
※ 全日空(ANA)をご利用される場合は、搭載可能なデータロガーであることを確認するため
JALと同様に、RTCA DO160に適合していることを証明する書類などの提出を求められることがあります。
もし、求められた場合は、当製品が【 KN Laboratories, Inc.のハイグロクロン 】であることと、
全日空の確認済み電子機器リストに載っており、輸送許可済みのデータロガーであることをお伝えください。
許可済みの場合、証明書類等の提出は免除されます。
※ 中国国際航空(エアチャイナ)をご利用される場合は、搭載可能なデータロガーであることを確認するため
JALと同様に、RTCA DO160に適合していることを証明する書類などの提出を求められることがあります。
もし、求められた場合は、当製品がボタン電池で動作するデータロガーであることをお伝えください。
ボタン電池で動作する電子機器は、事前承認手続きなしで、航空機の貨物室への搭載が可能です。
(注記:中国国際航空の上記規定は、将来変更になることもあります。)
8. 船舶で、リチウム金属電池を内蔵したハイグロクロンを海上輸送することは可能ですか?
可能です。
リチウム金属電池(UIN3091)は、国連勧告で危険物に該当します。
しかし、国際海上危険物規則(IMDG Code)の特別規定188(SP188)に掲げられた要件を満たしているため、
危険物に該当しないことになっています。
もし、船舶会社より、その電池について尋ねられた場合は、次のことをお伝えください。(下記内容でSP188の要件を満たしていることが分かります。)
(1) 内蔵されている電池は、ボタン電池(Panasonic製 コイン形リチウム電池 型番BR1225A)であること。
(2) リチウム金属電池であり、リチウムイオン電池ではないこと。
(3) 電池の重量は0.8gで、そのリチウム金属の含有量が0.01gであること。
(4) 国連試験基準マニュアル(UN Manual of Tests and Criteria, Part V,sub-section 38.3)の各試験要件に適合していること。(IMG code 2.9.4.1に適合)
(5) ボタン型単電池(セル)であり、組電池(バッテリー)ではないこと。
(6) 装置(ハイグロクロン)に組み込まれており、国連番号が、UN3090ではなく、UN3091であること。
(7) 電池は損傷や短絡から保護されており、装置(ハイグロクロン)は作動しても危険な発熱を引起すことがないこと。
(8) 機器に内蔵されている電池の数が1個であること。
(9) ISO9001認定工場で、品質管理プログラムの下で製造されていること。(IMG code 2.9.4.5に適合)
なお、ハイグロクロンは、ボタン電池の形状に似ているため、電池そのものと思われている方がいらっしゃいますが、
船会社に、ハイグロクロンのことを、誤ってボタン電池として申告しないようにご注意ください。
また、ハイグロクロンに内蔵されている電池(Panasonic社の型番BR1225A)の
「UN manual of tests and criteria, Part III, sub-section 38.3」
の試験結果要約(テストサマリー)を船会社様から要求された場合は、お渡しいたしますので、
<お問合せフォーム>からご請求ください。
※その際は、『ハイグロクロンのテストサマリー』ではなく、『電池の型番BR1225Aのテストサマリー』と明記してご要求ください。
9. 電子レンジの中に入れても大丈夫ですか?
残念ながら、そのような電磁波がどのような影響を及ぼすかの試験をしておりません。
そのため、計測データの信頼性とは別に、故障となることも考えられますので、
ご使用にはならないでください。
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10. 工場内の温湿度を記録する場合は、どのあたりにハイグロクロンを設置したらいいですか?
その必要個数は、いくつになりますか?
設置箇所とその必要個数は、計測する目的によって、ご判断いただく必要があります。
同じ工場内でも、例えば、天井近くと床面近くでは、温湿度はかなり異なります。
冷暖房装置や熱を発生する装置等があれば、その近くと離れた場所でも異なりますし、窓際近くやそうでない場所でも当然異なります。
温湿度ロガー『ハイグロクロン』は、置かれた箇所の雰囲気温度と湿度を記録します。
決してその工場内全体の平均を記録するわけではありません。
どこに設置すべきかというよりは、室内のどの箇所の温湿度を調べたいかを
よくご検討されてから、その位置に設置してください。
もう一つのご質問の必要個数については、したがいまして、
その工場内で調べたい箇所の数が、最低必要個数となります。
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11. 温度がマイナス20℃を下回ると故障しますか?
湿度が50%RH以下で、温度がマイナス30℃以上であれば、故障しない可能性もないとは言い切れませんが、
基本的に、マイナス20℃を下回る環境でのご使用は、動作保証外であり、
故障する可能性が十分ありますので、そのご利用はお避け下さい。
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12. 湿度が95%RHを越えると故障しますか?
湿度が95%RHを超えた場合でも、温度が0℃〜50℃の範囲内であれば、故障しない可能性もないとは言い切れませんが、
基本的に、湿度が95%RHを超える環境でのご使用は、動作保証外であり、
故障する可能性が十分ありますので、そのご利用はお避け下さい。
▲TOP
13. 常圧でない場所では使用できないのですか?
航空機の貨物室のように
約0.8気圧程度であれば、故障することも、湿度精度が悪くなることもありません。
ただし、真空装置や高圧器を使って、過度に陰圧や加圧状態にすると故障いたしますので
ご注意ください。
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14. 磁石に近づけてたら故障しますか?
通常の磁石であれば、ハイグロクロンに近づけても、故障することも、計測温度の値に異常が出ることはございません。
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15. 使用中(計測中)に、本当に計測しているかを確かめる方法はありますか?
もう一度パソコンにつなげて、専用ソフトの画面の右上あたりを見ることで確認できます。
動作していれば(計測中であれば)、【 記録中 】という表示になっているはずです。
もしも、動作していないのであれば、その表示は【 記録中 】ではなく、【 停止中 】と表示されています。
ちなみに、その【 記録中 】や【 停止中 】の表示以外に、
【 計測待機中 】や【 計測中(非記録)】というステータス表示もあります。
【 計測待機中 】の表示は、設定した計測開始日時になっていないために、測定が開始されていないことを意味しています。
【 計測中(非記録)】の表示は、動作(計測)はしていますが、メモリーが一杯となって、記録を停止している状態を表しています。
その【 計測中(非記録)】の表示が出ている場合は、速やかに停止操作を行って、無意味な動作を止めてください。
※ 計測途中でも、停止させることなく、途中までのデータを回収することは例外を除き可能ですので、
その計測中にデータ回収を行なっても、
実際に計測中であることが確認できます。
その方法ついては、別項をご覧下さい。
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16. ある湿度や温度より下回ったり超えたりした時にメールで知らせるようにできませんか?
残念ながら、当製品は、そのような機能はございません。
ただし、サーバ室の温湿度監視用として
温度または湿度の異常時に、メールで知らせる方法はございます。 詳しくは、サーバ室の温湿度監視ページをご覧ください。
▲TOP
17. 表面温度を測ることができますか?
ハイグロクロンは、小さな金属缶(内部が空間)のようなものであり、
その内部空間の中にセンサーがあります。外表面に温度センサーは出ていません。
つまり、接触させた対象物の表面温度を正確に測定することは、通常は難しいと思います。
体温計を顔の額に当てても、正確な体温が測れないのと同じです。
ハイグロクロンでは、本体内部に伝わってきた温度
つまり周囲温度(雰囲気温度)が記録されることになります。
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17. 計測途中に、停止させることなく、それまでの記録データ(途中データ)を、見ることはできますか?
測定間隔を1分間未満で計測させていないのであれば、何度でも可能です。
データ回収の操作を行った際に、『測定を停止しますか?』の問いかけ画面が出ますので、
そこで、いいえを選択して、計測停止をしないでデータ回収を行えば、
途中データがパソコンに読み込めます。
《注記》 ハイグロクロンから途中データをパソコンに何度取り込んでも、
ハイグロクロンから
その回収したデータが消去されるわけではありません。
つまり、計測途中にデータを吸い上げても吸い上げなくても、ハイグロクロンに記録されているデータは、何も変わりはありません。
※ ハイグロクロンに記録されているデータが消去されるのは、
ハイグロクロンからデータを吸い上げた時ではなく、
ハイグロクロンに、新たな計測条件設定を行った時だけです。
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専用USB接続ケーブルについて
1. ハイグロクロンを専用USB接続ケーブルに取り付けたまま記録させるのですか?
通常の使用方法では、接続ケーブルから取り外して、計測させます。 取り付けるのは
計測条件設定する時と、ハイグロクロンから計測データをパソコンに回収する時にだけです。
2. 複数のパソコンで使用できますか?
使用できるパソコンの台数に制限はありません。 計測条件設定に使ったパソコンだけでなく、
別のパソコンに接続ケーブルを取り付けて、ハイグロクロンから計測データを回収することも可能です。
3. 設定時に使った専用USB接続ケーブルでなければ、データ回収はできないのですか?
そのようなことはございません。
2本以上の専用USBケーブルをお持ちの場合、
ハイグロクロンの開始設定に使ったケーブルと異なる専用USBケーブルを利用しても、
ハイグロクロンからデータを回収することは可能です。
4. 専用USB接続ケーブルのみを購入できますか?
ご購入いただけます。 価格は、20,500円(税別)です。

5. サーモマネジャーキットやスーパーサーモクロンキットに付属のUSB接続ケーブルを代用できますか?
はい、ご利用可能です。
ただし、かなり以前にご購入いただいたサーモマネジャーキットに付属のケーブルの場合、上の写真の形状ではなく、下の写真ように、
ボタン型ロガーの取付口が2つあるタイプ(旧タイプ)となっていたことがありますので、こちらの注意点をご覧下さい。
6. サーモクロン や スーパーサーモクロン で使っているUSB接続ケーブルは、このハイグロクロンにも使用できますか?
はい。USB接続ケーブルはどれも同じものですので、共用可能です。
7. USBハブを介してISB接続ケーブルを利用することはできますか?
残念ながら、USBを分岐するための機器・器具を介して接続した場合は、動作保証ができません。
※ 市販のUSB延長ケーブルを、USB接続ケーブルに取り付けることは可能です。
8. 複数のハイグロクロンを利用する場合、同じ数の専用USB接続ケーブルを購入する必要がありますか?
必ずしも必要はありません。
専用USB接続ケーブルは、利用するハイグロクロンの数に制限はありません。
ですので、複数のハイグロクロンを使用する場合であっても、
特に理由がなければ、
ハイグロクロンと同数の接続ケーブルは必要なく、
接続ケーブルは1本あれば十分です。
※ サーバ監視システムにご利用の場合は同数必要です。
9. ハイグロクロン1個とUSB接続ケーブル1本さえあれば、温湿度計測はできるのですか?
計測ポイントが1箇所であれば、基本的には、他に特別必要なものはございません。
専用ソフトのRhManagerは、フリーソフトですので、無償でダウンロードが可能です。
ただし、この製品を利用するにあたって、対応するWindowsのOSがインストールされた
パソコンが少なくとも1台は別途必要です。 また、USBポートのないパソコンにはご利用いただけません。
また、お客様の目的とされる計測によっては、両面テープやマジックペンあるいは網袋などや、別売品の専用ホルダー
が必要になることもございますが、その種の必要備品は、お客様でご判断ください。
10. 過去に購入したUSB接続ケーブルでも、新しいハイグロクロンに利用できますか?
可能です。ケーブルが故障していない限り、そのままご利用可能です。
専用ソフト「RhManager(RHマネジャー)」について
1. ソフトの入手方法は?
RhManager(RHマネジャー)は、フリーソフトです。
次のページから最新版を無料でダウンロードできますので、インストールしてご利用ください。
2. ソフトの英語版や中国語版はありますか?
中国語版はございませんが、英語版であればございます。
英語版は、次のページから無料でダウンロードできますのでご利用ください。
RhManager英語版ダウンロード
ダウンロードできない環境の場合は、メール添付でお送りすることは可能です。
なお、ソフトの取扱説明書(英文)は、ソフトをインストール後にPDFで表示可能です。
※ 当面、中国版のリリース予定はございませんが、
ご希望であれば、その中国語版の製作をリクエストしてください。
ご要望される方が多くなれば、将来的に、その中国語版の製作を検討させていただきます。
3. 複数のパソコンにインストールしてもいいですか?
当ソフトはフリーソフトです。 台数に限りなく、インストールして、無償でご利用いただけます。
ソフトは、ダウンロードページより無償でダウンロードすることも可能です。
※専用USB接続ケーブルが無くてもインストールは可能です。
例えば、計測したデータを第三者に見てもらったりするときにも便利です。
4. ソフトを新しいバージョンに更新しても、今使っているハイグロクロンや専用ケーブルはそのまま使用できますか?
ハイグロクロンやケーブルは、ソフトのバージョンには関係しないので、そのままご利用いただけます。
また、ハイグロクロンやケーブルは、パソコンのOSにも関係しませんので
そのOSに対応したソフトのバージョンをインストールするだけでご利用いただけます。
5. 購入前にデモ用ソフトで試すことはできますか?
デモ用ソフトはございませんが、製品のソフトが当ホームページから無料でダウンロードしていただけますので、
デモデータとあわせてダウンロードし、インストール後にデモデータを開いてご確認下さい。
6. 回収したデータを、他のパソコンで見ることはできますか?
はい。可能です。
回収時に使用したパソコン以外のパソコンでも
無償ソフトのRhManagerをインストールしていただければ、
計測データをそのパソコンに転送することで、同じように見ることができます。
例えば、計測結果を第三者に見せたいときに、そのようにしていただければ可能ですし、
また、ハイグロクロンを海外に送って、現地でデータ回収した場合、
そのデータを日本に転送してもらえば、
日本で、その回収したデータをご覧いただくことが可能です。
たとえ、回収したソフトがRhManagerの英語版であっても、
そのデータは、RhManagerの日本語版でも英語版でもどちらでもご覧いただけます。
7. データをExcelに移せますか?
パソコンにMicrosoft社のエクセル(Excel 2010/2013/2016/2019)がインストールされていれば、
Excel形式で保存できます。
ご購入前に、事前確認されたい場合は、当ホームページから、
ソフトとデモデータをダウンロード し、インストール後にデモデータを開いて、Excel形式で保存すれば、
ご覧いただけます。
8. 計測開始日時をかなり先の日時にすることはできますか?
はい。 ご希望される任意の日時に計測開始予約の設定が可能です。
ただし、条件設定した日から平均月差約3分の時差が生じますので、かなり先の日時に設定することはお勧めいたしません。
9. 購入前にソフトの使用説明書を見ることができますか?
製品のソフトを当ホームページから無料でダウンロードしていただき、
ソフトをインストールしていただければ、使用説明書(PDFファイル)を表示させることができます。
また、使用説明書のみでよろしければ、当ホームページの次のサイトで使用説明書を開くことが
できます。
10. 複数の回収したデータを一つのグラフ上に表示できますか?
その複数のデータをソフト上で、同時に表示させた後に、
メニューバーの[ファイル] →
[Excelファイルで同一グラフ上に表示]を選択すれば、
表示されたデータが結合されて、一つのExcelファイルとして変換されます。
※ ご注意: Microsoft社のExcelをインストールしていないパソコンではご利用いただけません。
また、データの組合せにより、結合させることができない場合があります。
11. 計測後のデータ回収時に、湿度の自動補正を行うかどうかを選択する画面でます。どちらを選択したらいいですか?
ハイグロクロンの湿度センサは、静電容量式です。一般的に、静電容量式の湿度センサは、
ヒステリシスと呼ばれる現象により、高い湿度が続くと、値が徐々にずれるという欠点が知られています。
また、温度の影響を受けて、湿度の値がブレることもあります。
それをカバーするため、データ回収時に湿度の自動補正を選択して回収していただくと、
ソフト上でSaturation Drift Compensationという補正を行なって、できるだけ正値に近づけて表示することができます。
ですので、データ回収時には、通常は、自動補正を選んで回収してください。
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